花垣が目指すもの

南部酒造場は1990(平成2)年から、良質の酒米作りに熱心な地元篤農家とともに健康な稲作りを目指し、自然農法による五百万石を作り始めました。

その結果、2003(平成15)年に政府登録認定機関「JONA」(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)の「有機農産物加工酒類」の認証を取得し、有機五百万石を100%使用した「有機純米吟醸」を商品化いたしました(現在は終売し「有機 純米大吟醸」「有機 純米」の2商品を販売中)。

また、幻の酒米と言われている「亀の尾」を復活栽培させることにも成功し、大野産亀の尾を100%使用した「亀の尾 純米吟醸」を商品化しております。

酒造りは数百年の歴史を持つ伝統産業です。満足な分析機器もなかった時代より、先人たちは技術を継承・発展させてきました。その中には、戦後に入り技術革新が進む中で「時代にそぐわないもの」として打ち捨てられてしまったものもあります。弊社ではそれらの中から幾つかの技法に着目し、現代の「酒造り」に取り入れております「山廃」「生もと」等)。

また、「酒造り」の心臓部とも言える「麹造り」についても、1995年頃にあえて機械製麹機を撤廃して手造りに戻しました。さらに2002(平成14)年には麹室を全面リニューアルし、より質の高い麹造りを目指して努力しております。

酒造りでもっと大切といわれる「蒸し米造り」では甑(こしき)を使用し、基本に忠実に全量「抜け掛け」による「蒸し」をおこなっています。

また、日本酒の新たな可能性を探るためのさまざまな取り組みも行っております。

「新酒」に癒過・火入れ・割り水などを行わない無濾過生原酒、長期熟成貯蔵したお酒(「古酒」)、仕込水の代わりに「酒」で仕込んだ「貴醸酒」、純米大吟醸酒を「オーク樽」で1年間熟成させるなど、多様な造りを現在まで継続しております。今までには、仕込の全量を麹で仕込んだ「全麹仕込」、「古代米」(黒米)仕込みなども行ってまいりました。

今失われようとしている技術や味を継承し、古き良きものから新しい創造を生み出すために、私たちは伝統に重きを置いています。